地方同人誌即売会に参加して、惨敗した話。
こんにちは。
麻(@asasyhrinne)です。
突然ですが、「同人誌即売会」って知っていますか?
アニメや漫画、ゲームなどのファンが、その世界観やキャラクターを拝借して創作した同人誌を売ったり、好きな作家(サークル)の作品を買ったりするイベントです。
国内最大の同人誌即売会である「コミケ(コミックマーケット)」という名前くらいは聞いたことがある人も多いと思います。
本記事では、そんな同人誌即売会に、売る側として参加した時のお話をしたいと思います。
私が地方の同人誌即売会に参加したわけ
これまで学んできたことを生かしてみたかった
私はこれまで、いろんなビジネス書を読んだり、様々な資格・検定などを取得していました。
しかし、本を読んでも、資格を取っても、身についている気がしない、実践で生かせる気がしない・・・と、もやもやするものを抱えていました。
そんな中入ってきた、地元で近々同人誌即売会が開催されるという情報。
これは、これまでの知識を生かして本気で何かを売る、格好の場かもしれない!
家業を継ぐ前に、まずは小さなビジネスで試してみよう、と考えました。
絵を描くことへの再挑戦
私が漫画やアニメに熱中し、絵を描くことを趣味としていたのは、中学・高校のときがピークでした。
当時も同人誌即売会(以降、イベントと言います)には参加していて、それなりに楽しかった思い出があります。
その後は、受験や大学生活が中心になってしまったのですが、いつかまた参加したいな、と考えていました。
老舗家業見習いとしての新生活も始まったばかりの、今がチャンスだ!と思ったわけです。
交友関係を作りたかった
私は約10年間、故郷を離れていました。
SNSで多少のつながりはあっても、今でも会うほど仲がいい人はいません。
新たな分野・コミュニティに参加して、友達をみつけたかった。
ビジネスにおいて、コネ作りも重要ですしね!
戦略
ターゲットマーケティング
万人受けするものを狙うのではなく、商品を売りたいターゲットを絞ることは、ビジネスの基本です。
今回のターゲットは、以下のように設定しました。
- 漫画Aが好きな女性
- イベント初心者
- 経済的に、東京の大きなイベントには参加できない年齢層(=中学生~高校生)
同じ日に東京でも大規模なイベントが開催されていたので、ある程度オタク歴が長く、経済力がある人はそっちに流れてしまうと考え、
この年代に興味を持ってもらえる絵柄、ものにしよう、と思っていました。
ブルーオーシャン
これまたマーケティングでよく聞かれる、「競合がいないジャンルを狙え」というやつです。
私が選んだジャンルは、週刊少年ジャ〇プで連載されている、それなりの人気かつ知名度を誇る漫画Aでした。
これだとブルーオーシャンにはならないのですが、その中でも、あるキャラクターBに関するグッズのみ作ることで、ブルーオーシャン化したのです。
これをすることにより、
- 漫画Aが好きな人
- 漫画Aが好きでかつキャラBが好きな人
- 漫画Aが好きだけど、キャラBにはそこまで注目してなかった人
という3パターンのお客さんを取り込めるのでは?と考えました。
また、「麻といえば漫画AのキャラBが好きな人」というキャラ付けをし、印象を持ってもらえたら、より人間味が増し、友達作りにもつながるかな、という期待も込めています。
購買意欲を高めるための工夫
ここまでで、ターゲットや戦う市場は決まりました。
漫画Aが好きな人は、何かしら興味を持ってもらえるだろう。
でも、やはり買おう!と思ってくれる、もう一押しがあればいいな・・・・。
それで思いついたのが、商品を買ってくれた人の中から抽選でプレゼントを渡す、というものでした。
プレゼントは、イラスト入りの色紙にしました。
無名の人の色紙なんて誰がほしいの?と家族に突っ込まれましたが、当時の私は、この絵の出来ならもらいたいと思ってくれる人が多少はいるだろうという根拠のない自信がありました(^^;
SNSの活用
現代のプロモーションには欠かせない、SNS。
イベント開催の1週間ほど前から、イベント参加の告知や、売る商品、作業の進捗状況などをツイートしていました。
さらにイベントの主催側のアカウントや、ほかの参加者と思われるアカウントを積極的にフォローして、
「当日はよろしくお願いします」とリプを送ったり、ほかの参加者のツイートにいいね!を押したりしていました。
当時は主催側のアカウントがリツイートしてくれたり、それをみた他のアカウントがいいね!をくれたりして、多少の手ごたえを感じていましたね。
イベント当日の様子と結果
私がガチで参加していた時よりもだいぶ人が減ったなぁと思いながら、一般参加者(買う側)の入場がスタートしました。
知名度も画力もない私、接客で勝負しよう!!と考えていましたが、
ブースの前を、ちらりともせず素通りする人。
ちらりとしても、「ご自由にお取りください」のチラシも取らず、すぐ去ってしまう人。
コスプレや、友達との会話に夢中な人。
そんな人たちを目の当たりにしてしまうと、怖気づいてしまいました。
心の中で「もしかして、これは一つも売れないのでは?」という考えが頭をよぎりました。
せめてお隣さんと仲良くなろうとしましたが、
両側とも友達と一緒に参加しており、ずっと身内で話しているので(しかも私よりだいぶ若い)、私の入る余地はありません。
3時間経過すると、ぼちぼち撤退する参加者も増えてきました。
それでもわずかな期待をもって、ブースに居座り続けましたが、とうとうイベント終了まで私のブースの前に立ち止まってくれる人は現れず、
商品が売れるどころか、一枚のビラを捌くことすらできなかったのでした。
敗因
時代の変化についていけていなかった
私が今回商品として売ったのは、ラミカと呼ばれる、イラストをラミネートしたものでした。
15年前の地方同人誌即売会は、ラミカや便せんが商品の主流だったように思います。
でも今や、たくさんのグッズがネット上で発売され、twitterやpixivといったSNSで、素晴らしい絵師さんの絵がいくらでも無料で見られる時代。
ケータイ・スマホの普及で、手紙交換なんてしないでしょう。
時代の変化についていけず、「前はこれが売れてたから」と、過去にとらわれていたし、 これまでほとんど絵をかいてこなかった私が、今の上手い人がネット上にあふれている太刀打ちできるわけなかった。
人間の本質を見抜けていなかった
今回の出来事を大学時代の漫画・アニメ好き友達に報告すると、衝撃的な指摘を受けました。
「自分の興味のあるジャンル以外は、全くの無関心の人が多いんじゃないかな?」
確かに、
「無料だったら、多少はもらってくれるだろう」
「推しというほどでもないけど、漫画Aを好きな人なら興味を持ってくれるだろう」
と、実際に意見を聞いたわけでもないのに、自分だったらこうするとか、自分に都合のように考えていたところがあったように思います。
人間はもっと利己的なもので、いらないものは無料でも貰わないし、興味のないものをわざわざ好きになろうということもしない。
なんというか、私、人間を信じすぎたのかな(笑)
有名人がある製品を取り出し、「これいいよ!!」と言ったら、「〇〇さんがおすすめするなら、私も買おうかな」という気にもなるでしょう。
でも、無名の私が同じことを言っても、だれも信用してくれない。
そのことをとても実感しました。
交流の場としてふさわしくなかった
今回、ほかの参加者を見ても、売れているのはものすごく絵がうまい人や、すでに知名度のある常連さん、それ以外は友人同士の交流を楽しんでいる、という印象でした。
相手がそれを求めていないのに、必死になって交流しようとしてしまった。
きっと両隣の若い人たちには、しつこいおばさんと思われていただろうな、と反省です。。
総評:結構心が折れたけど、たくさん学ぶことはあった
今回は、大損に終わったわけですが・・・・、
私が想定していた通り「小さなビジネスを経験する場」として学ぶことはたくさんあったと感じます。
現在のマーケティング知識はフル活用したつもりでしたが、まだまだ分析が甘いところがたくさんありました。
私が選んだのは地方同人誌即売会ですが、モノ作りが好きな人はフリマとか、技術を売りたいという人はクラウドソーシングサービスを利用するとか、今はいろんな自分の売り方がありますね。
まぁ、今回はちょっと疲れてしまったので、しばらく家業以外の「小さなビジネス」はお休みにすることにします(笑)
残業ってそんなに嫌なもの?
こんにちは。
麻(@asasyhrinne)です。
「残業時間の上限規制」「長時間労働の削減」・・・ニュースで聞かない日はないですね。
老舗零細の私、正直、耳が痛い・・・・・(;^ω^)
自営業から見た「わたし、定時で帰ります」
2019春ドラマの中でも一段と話題になっているドラマ。
「残業はしません!」と宣言している主人公が、次々と社内で起こる問題に向き合い、先輩や同僚とともに解決していく・・、という一話完結型のストーリーです。
私も本作を見ていますが
正直、主人公にはあまり共感できなくて。
- わざわざ「私定時までしか仕事しないんで。」と宣言しなくてもいいのでは?(仕事押し付けられないようにしているんだろうけど)
- 明らかに慌ただしくしている中で、何も聞かず帰ってしまうのはどうだろう?(ディレクターならもう少し周りを気に掛けたほうがいいのでは?)
- 歓迎会を業務時間としてカウントしちゃうのは、その人に失礼だと思う(あなたとは完全仕事の付き合いですってことですよね)
「自分の仕事が終わったので」という主張は正しい、正しいんだけど・・・
自営業に、定時はないから!!!!!
会社員でしたら、与えられた業務があり、それをこなすだけでいいのかもしれません。
でも、自営業の仕事は、何でも自分でやらないといけない!
しかも無給で!!!!
例えば我が家業だと、パートさんが来ている業務時間は、基本菓子の製造。
パートさんが帰ると、ようやく経営者らしいことができます。
経営戦略を考えたり、税金関係の書類を書かないといけなかったり、顧客対応メールをしないとといけなかったり・・・・。
こっちも改善しようと必死なのです。
お給料も、バイトを優先して渡しています。
それなのに、少しキツイ条件に合わないことがあると「あの会社はブラックだ!」と言われてしまう最近の風潮は、経営者側にとって、とても悲しいことです。
「残業イコール悪」なのか?
仕事って、やった作業・使った時間と成果が、一致するものばかりじゃないですよね。
例えば、アイディアや勉強が必要とされるものとか。
私がまだ新人SEだったころ、
もっと技術の勉強をしたくて、会社に残っていたことがありました。
勉強なら家でしろ!って言われそうですが、家のパソコンじゃスペックが悪すぎて動かないし、やはり家だとモチベーションが続かないと思ったんですよね。
その時、先輩に話しかけられました。
先輩「麻さん、なんでこんな遅くまで残っているの?用事がないなら帰って。」
私「業務の勉強のために残るのが、なぜいけないのでしょうか。タイムカードは切りましたよ。」
先輩「そういう問題じゃないです!!」
当時は、仕事のために勉強したい気持ちも否定された気分になったのを覚えています。
(後日、会社の光熱費がかかるという意見を聞いて、ちょっと納得しましたが)
何が言いたいかというと、業務形態、与えられた仕事量、立場、能力、仕事に対する考え方も人それぞれ違うのに、「残業は悪だ!!」という世論に、かなり違和感を感じるんですよね。
Twitterなんかを見ていると、「残業をする人は仕事ができない無能」って主張している人もよく見かけますね。
「自分は定時で終わらせられる有能です」っていうアピールなのでしょうか・・・?
自分に自信がない私から見ると、その自信が逆にうらやましい。。
所感
私っていわゆるゆとり世代ですが、自営の家族を見て育ったのもあって、めっちゃ古い人間だなぁと自分でも思います。
でも、近年、「好きなことを仕事に!」といった働き方を押してる割に「定時までしか仕事をしたくない」「残業と聞くと露骨に嫌な顔をする」というのは矛盾を感じるし、
仕事に熱心になっている人を「社畜」と言ってバカにするのも嫌だなぁ。
勤め人の仕事は会社全体のほんの一部分であり、それ以外で定時外に必死に努力している立場の人間もいること。
そして、経営責任を負わず雇われの身を選んだのなら、周りに合わせることや、多少の我慢は必要だと思う。
これらが、少しでも理解されたらいいな。
老舗の個人店に切り込む一冊「なんでお店が儲からないのかを僕が解決する」
こんにちは。
麻(@asasyhrinne)です。
家業経営の役に立てばいいなー、と思い購入した、堀江さんの「なんでお店がもうからないのかを僕が解決する」。
こちらの本は個人経営の飲食店向けに、
将来生き残れるお店の経営方針について書かれています。
過激な発言の多いイメージの堀江さんですが、個人的には結構共感する内容であることが多いんですよね!
この本も、老舗家業を間近に見ている者として、納得したり、ぐさぐさっと来ることばかりでした・・・。
特に印象に残ったところをまとめました。
人材を確保したいなら、飲食業界の改革が必要
人手不足に悩む飲食業。その原因として主に2点挙げています。
- 労働環境がブラックだから
- 「飲食業」「料理人」の社会的地位が低すぎるから
どちらも、本当すごく納得!!!
飲食業ってお給料低いですもんね。
その割に長時間労働も多し・・・。。そりゃ誰もなりたがりません。
そして②も、飲食業って「学歴問わず誰でもできる仕事」って思われてますよね。。
この本の中で一番共感した部分が、以下の記述。
飲食店で働きたいと思う=自分は飲食店で働くレベルの人間だ。
そういうイメージがまだまだあるから、勉強好きや論理的な思考ができる人材が飲食業に集まらない(p.40)
でも、実はぶっちゃけ、大学生の私も
「飲食業で働いている人って、学歴低い人だよね?ってことは、一応それなりの大学通ってる私ならもっとできるよね!」
って思っていました(ごめんなさい)。
そこで飲食店でバイトを始めた私ですが、実際やってみると、テキパキ動けない、注文をなかなか覚えられない、気を遣えない・・・・。
バイト開始から4日後、なんと「お前の成長を待っていたら店が破綻する」と、解雇を言い渡されたのでした( ;∀;)
その時初めて「人には向き不向きがあるんだ」って気づいたんですよね。
そして同時に、職業によって社会的地位が決まることに、納得がいかなくなりました。
人によってできることできないこと違うのに、”誰でもできるから”とかで安すぎたり、仕事の内容によってお給料の格差が激しすぎたりしてない?
なんだか話が反れましたが、言いたいのは、飲食業従事者の給料もっと上げよう!ってことです。
(ちなみに、介護士や保育士についても同じように思ってます)
生き残るには進化が必要
老舗菓子屋として、「昔から変わらない、優しい懐かしい味」をウリにしている我が家業。
そんな我が家にとって、衝撃的な言葉が目に入ってきました。
誰もがいくらでも情報を浴びるように得ることができる時代、若者が食事を選ぶとき、「10年同じ味」はどうしたって「昨日できた画期的な味」より後回しになる。(p.16)
人気をキープしている店は、代々伝わる味を繰り返しているのではなく、最先端の手法や素材探しにアンテナを張って、創意工夫をしているのだと。
これにはかなりグサッと来ましたね。
でも、ゼロから全く新しいものを生み出せ、と言っているのではなく、
話題のお店や商品からインスパイアを受け、それを一歩進めるのが大事とのこと。
確かに、成長には「まずは真似をしろ」って言いますね。
お客さんにも従業員にもハッピーな価格設定をする
- 値段が高くても集客できるような魅力ある店づくりを!
- 「こんなにいいものがこの値段で買える」という価格帯が一番ダメ
というのは納得でした。
大手なら効率化のための機械導入、からの大量生産による価格下げ、なんて簡単で、すぐ競争に負けてしまいそうです。
(個人店は機械導入すらなかなかできないですからね)
さらに安売りしたしわ寄せは、人件費削減に来ることが多い。
そこも「給料が安い問題」にもつながってくるんですね。
我が家の「忙しいのに儲からない!」も、多分この辺に問題がありそう。
総評
近年の堀江さんの著書は、結局は「すぐ行動しろ!」「好きなことを仕事にしろ!」にたどり着く感じで、ややマンネリ化していたのですが・・・・
こちらは「飲食業の経営」にズバリ焦点を当てていて、今までの本とは全然違った!!!
紹介した以外にも、
- ドタキャンやレビューサイトの評価について(ここはうちはあまり関係ないので読み飛ばした)
- 堀江さん自身の食に対する考えやそれを生み出した環境
- シェフのリアルな悩みに答えるQ&Aのコーナー
などなど、食や飲食店経営に関する、でも他の業種でも使えそうな考え方・アイディアがちりばめられています。
特に凝り固まった業務体質や姿勢になりがちな老舗に、切り込んでくれる一冊だと思います。
実家が自営業でも、失業保険はもらえる?
こんにちは。
麻(@asasyhrinne)です。
本日は、自営業者や家業がある人の失業保険はどうなる?ということについてお話しようと思います。
失業保険は、再就職のための就職活動期間中に、生活に困らないようにするための手当です。
私は東京の会社を退職し地元へ帰りましたが、実は最初から実家を継ごう、家業の手伝いをしよう、と思っていたわけではありません。
幼いころから家業の厳しさ、辛さを聞いていましたし、憧れの仕事に挑戦したかったんですよね~。
なので、失業保険を受け取りながら職探しができればいいなぁと考えていました。
しかし、実家が自営業してます・・・となると、
「家で働けばいいんだから、職探ししなくていいやん!」
「失業保険、受け取る必要ないよね!?」
となるんじゃないか?という疑問が・・・・。
結論:自営業の手伝いをしなければ、失業保険は満額受け取れる
失業保険を受け取っている間は、4週間に一度、就職活動実績を報告しなければいけません。
また、就職活動実績だけでなく、バイトや家業、ボランティアなどをした場合も、その日や時間、受け取った収入などを申告しないといけないんですね。
そこで、私は支給期間中、一切家業の手伝いをしませんでした。
それで受け取れるものが受け取れなくなるのはもったいないですからね!!(がめつい!!)
さらに念のため、実家が自営業だということは、ハローワークの人にも特に伝えていませんでした。
(まぁ、手伝いをしないのであれば、あえて言う必要もないと思います)
でも、結果的に家業手伝いをすることになった場合
最初から家業を継ぐ、家業手伝いになるつもりで失業保険を受け取るのは、不正受給に当たります。
就職する気がないとみなされますからね。
私も就職活動をしながら失業保険を受け取っていたわけですが・・・・、
古参従業員さん(親族)の病気による無期限休職で人手不足になり、父母がとてもキツそうだったため、家業に入ることになりました。
(一人欠けたらダメになる、零細あるあるですね!)
当時は、
「家業につく!?!?!
最初からそのつもりだったの!?!
はい不正!返還しなさい!」
・・・なんて言われないかな??とガクブルしていたのですが、
しょうがなく家業に入ることになった場合は、そういうことはないようです。
職業訓練を受ける場合は就職先の報告を求められる
失業保険が満期になった後は、就職先が決まった報告はしなくてもよくなります。
しかし、失業保険をもらいながら職業訓練学校に通い就職する場合は、訓練終了後3か月は就職状況を報告するように言われます。
私も未経験職に挑戦するための基礎知識が欲しいということで職業訓練に通っていましたが、
訓練学校の先生に聞いたら、家業を手伝う=(家族の)会社に就職、という形で申請すればよいとのことでした。
一安心。
まとめ
- 家業があっても、それを継ぐつもりがない・手伝わないなら、失業保険を受けられる。
- 失業保険受給後、結果的に家業につくことになっても、今のところはおとがめなし(返還等は求められない)。
- 最初から家業を継ぐ・家業手伝いになるつもりで失業保険を受け取ると(それをどうやって判断するかはさておき)不正とみなされちゃうので注意
家業を継ぐか継がないか問題
こんにちは。
麻(@asasyhrinne)です。
私の家が老舗のお菓子屋だという話をすると、友人知人には、
「家は継がないの?」
「麻の代で途絶えちゃうの、もったいないよ!!」
と言われてきました。
確かに、多くの人に食べてもらっているのを知っているので、
自分の家が100年続く老舗だということには誇りを持っています。
でも、今はまだ家業を継ぐ!!とは考えられないなぁ、というのが本音です。
やはり、自営業は大変。
物心ついた時から、祖父母も父母も家業。
学校から帰ったら、工場に出入りしてつまみ食いして、従業員さんにかわいがられる。
そんな生活は、はたから見ると幸せな家族の形なのかもしれません。
でも昔から、母は昔から私に、口を酸っぱくして言いました。
「自営業なんて忙しいだけで全然儲からない!!!」
「就職するなら、大手企業か公務員!!」
「資格もちゃんと取っておかないといいところ就職できないよ!!」
「麻は長男や自営業の人とは結婚しちゃあかん!」
母は明るく、好奇心旺盛で、愛情持って私を育ててくれましたが、勉強や仕事に関することだけは厳しかったように思います。
その言葉を信じて猛勉強し、とりあえず大学には進学しましたが、結局戻ってきてしまいました。
そして実際に家で働いてみて、あそこまで自営業を嫌がる母の言ってることがわかってきました。
会社員と違って、働いた時間だけお給料がもらえるわけじゃない。
有給なんてものは存在しない。
注文が入れば、休みでも働く。
私はまだ一応父に雇われているという立場なので、そこまでではないですが・・・。
毎日、休みなく働く父母を見ていると、本当に大変そう。
私ですら繁忙期はへとへとなのに、もう還暦の父母があそこまで働いているのは、もう頭が上がりません。
「老舗」という枷
「自分の好きな時間に働けるじゃん」
「自分の好きなことを仕事にできているんだからいいじゃん」
これらの意見は、自営業といってよく聞く意見ですが、聞くたびに
それって代々継いできた家業には当てはまらないよね?と半ば怒りすら感じます。
老舗旅館とか、そんな休みないでしょ?
好きだから継いだわけじゃないでしょ?
それに、テクノロジーの進化や消費者のニーズによって変わらなければいけないのに、「老舗」という枷にとらわれ、なかなか変化できない。
もちろん新製品や新サービスを出して、変化し続けている企業さんはありますが、
うちは今入ってくる注文で手一杯。
個人商店や家族経営の老舗さんなどは、大体そんな感じなのではないでしょうか。
なかなか未来を考える余裕がないのです。
今のままじゃ、家業を継ぐのはリスキーでしかない。
こういった現状を考えると、今のまま家業を継ぐ気にはなれていません。
私はまだ現状を打破するアイディアを持ち合わせてはいないし、経営者に向いているとも思えません。
ただ、継ぐかどうかはまだわからないけど、現状を変えたい、という気持ちはあります。
せっかく一度東京に出て、会社に入った経験があるので、それらを活かして何か提案できたらな、とか、
現代ならではの経営戦略をもっと勉強して、取り入れていけたらいいなぁ、と考えています。
まとめ
人手不足や跡継ぎ問題は、たびたびニュースにも取り上げられています。
しかし、現代の技術の目まぐるしい進化や、人々の趣味嗜好の多様性を考えると、
老舗の零細企業が跡継ぎなく消えてしまうのは、しかたないのかもしれません。
私からすれば、「せっかくここまで続いてきたのにもったいない」という言葉は、
外野だから、責任がないから、言えるんだよね?と思ってしまうのです。
(じゃぁうちで働く?と聞いたら、きっと嫌って言われるでしょうし)
ただ・・・・、これまで築いてきた業者や消費者とのつながり、信用、ネームバリューを生かせることができるのは、老舗家業の強み。
そこを生かしたビジネス展開とかを、生産で精いっぱいな父母に変わって考えていくのが、今の私の使命と考えています。
家業手伝いがブログを始めます。
初めまして。
麻(@asasyhrinne)です。
ひょんなことから家業手伝いになりました。
本ブログでは、
- 老舗家業の経営やその実態
- 経営改善への挑戦
- 日々のぼやき
・・・などなどを、綴っていけたらなと思います。
家業について
私の実家は明治創業の菓子屋を営んでおり、
現在は父が個人事業主として経営しています。
お土産コーナーに製品が置かれ、都道府県別の物産展にお声がかかる、それなりの知名度です。
従業員は、パートさんも含め5人ほど。
繫忙期には、短期バイトさんが入ることもあります。
しかし、経営や雇用の実態は・・・。
それは今後の記事でお話しします。
自己紹介
アラサー既婚女性。
情報工学系の学部を卒業後、数年間SEをしていました。
結婚を機に退職し、今後のこと(出産や育児)を考え、実家のある田舎にUターン移住。
人手不足もあって、会社には就職せず、実家を手伝うことになりました。
本ブログの目的
近年の物価上昇や不景気の中、巷では「働き方改革」が叫ばれ、
AI時代に向け仕事の内容や形態も瞬く間に変わってきています。
また、コミュニティサイトやSNSの普及などにより、個人の発言が社会に与える影響も大きくなってきました。
そんな中、「老舗」「自営業」「零細」であるわが家業は、 人手不足や、原料価格高騰などのあおりをモロに受けています。
まだ経営者でもない、でもそれらの実態を肌で感じることのできる私の立場から、それらの情報を発信していけたらな、と考えています。
代々続く家業って、基本高齢化が進んでいるので、インターネットで叫ぶ人もいませんからね(笑)
そして老舗の自営業が、今後生き残るために何かできることはないかを、模索していきたいです。
よろしくお願いします。