老舗家業の見習いブログ

100年以上続く老舗菓子屋の一人娘の奮闘記。家業を継ぐかはまだ未定です。

老舗の個人店に切り込む一冊「なんでお店が儲からないのかを僕が解決する」

こんにちは。

麻(@asasyhrinne)です。

 

家業経営の役に立てばいいなー、と思い購入した、堀江さんの「なんでお店がもうからないのかを僕が解決する」。

 

なんでお店が儲からないのかを僕が解決する

なんでお店が儲からないのかを僕が解決する

 

 

こちらの本は個人経営の飲食店向けに、

将来生き残れるお店の経営方針について書かれています。

 

過激な発言の多いイメージの堀江さんですが、個人的には結構共感する内容であることが多いんですよね!

 

この本も、老舗家業を間近に見ている者として、納得したり、ぐさぐさっと来ることばかりでした・・・。

 

特に印象に残ったところをまとめました。

 

人材を確保したいなら、飲食業界の改革が必要

人手不足に悩む飲食業。その原因として主に2点挙げています。

 

  1. 労働環境がブラックだから
  2. 「飲食業」「料理人」の社会的地位が低すぎるから

 

どちらも、本当すごく納得!!!

 

飲食業ってお給料低いですもんね。

その割に長時間労働も多し・・・。。そりゃ誰もなりたがりません。

 

そして②も、飲食業って「学歴問わず誰でもできる仕事」って思われてますよね。。

 

この本の中で一番共感した部分が、以下の記述。

 

飲食店で働きたいと思う=自分は飲食店で働くレベルの人間だ。

そういうイメージがまだまだあるから、勉強好きや論理的な思考ができる人材が飲食業に集まらない(p.40)

 

でも、実はぶっちゃけ、大学生の私も

飲食業で働いている人って、学歴低い人だよね?ってことは、一応それなりの大学通ってる私ならもっとできるよね!

って思っていました(ごめんなさい)。

 

そこで飲食店でバイトを始めた私ですが、実際やってみると、テキパキ動けない、注文をなかなか覚えられない、気を遣えない・・・・。

 

バイト開始から4日後、なんと「お前の成長を待っていたら店が破綻する」と、解雇を言い渡されたのでした( ;∀;)

 

その時初めて「人には向き不向きがあるんだ」って気づいたんですよね。

そして同時に、職業によって社会的地位が決まることに、納得がいかなくなりました。

 

人によってできることできないこと違うのに、”誰でもできるから”とかで安すぎたり、仕事の内容によってお給料の格差が激しすぎたりしてない?

 

 

なんだか話が反れましたが、言いたいのは、飲食業従事者の給料もっと上げよう!ってことです。

(ちなみに、介護士や保育士についても同じように思ってます)

 

生き残るには進化が必要

老舗菓子屋として、「昔から変わらない、優しい懐かしい味」をウリにしている我が家業。

そんな我が家にとって、衝撃的な言葉が目に入ってきました。

 

誰もがいくらでも情報を浴びるように得ることができる時代、若者が食事を選ぶとき、「10年同じ味」はどうしたって「昨日できた画期的な味」より後回しになる。(p.16)

 

人気をキープしている店は、代々伝わる味を繰り返しているのではなく、最先端の手法や素材探しにアンテナを張って、創意工夫をしているのだと。

 

これにはかなりグサッと来ましたね。

 

 

でも、ゼロから全く新しいものを生み出せ、と言っているのではなく、

話題のお店や商品からインスパイアを受け、それを一歩進めるのが大事とのこと。

 

確かに、成長には「まずは真似をしろ」って言いますね。

 

お客さんにも従業員にもハッピーな価格設定をする

  •  値段が高くても集客できるような魅力ある店づくりを!
  • 「こんなにいいものがこの値段で買える」という価格帯が一番ダメ

 

というのは納得でした。

 

大手なら効率化のための機械導入、からの大量生産による価格下げ、なんて簡単で、すぐ競争に負けてしまいそうです。

(個人店は機械導入すらなかなかできないですからね)

 

さらに安売りしたしわ寄せは、人件費削減に来ることが多い。

そこも「給料が安い問題」にもつながってくるんですね。

 

我が家の「忙しいのに儲からない!」も、多分この辺に問題がありそう。

 

総評

近年の堀江さんの著書は、結局は「すぐ行動しろ!」「好きなことを仕事にしろ!」にたどり着く感じで、ややマンネリ化していたのですが・・・・

 

こちらは「飲食業の経営」にズバリ焦点を当てていて、今までの本とは全然違った!!!

 

紹介した以外にも、

  • ドタキャンやレビューサイトの評価について(ここはうちはあまり関係ないので読み飛ばした)
  • 堀江さん自身の食に対する考えやそれを生み出した環境
  • シェフのリアルな悩みに答えるQ&Aのコーナー

などなど、食や飲食店経営に関する、でも他の業種でも使えそうな考え方・アイディアがちりばめられています。

 

特に凝り固まった業務体質や姿勢になりがちな老舗に、切り込んでくれる一冊だと思います。