老舗家業の見習いブログ

100年以上続く老舗菓子屋の一人娘の奮闘記。家業を継ぐかはまだ未定です。

モノにはもう価値がない時代なのか

こんにちは。

麻(@asasyhrinne)です。

 

先日、とあるイベントで知り合った方から、メイクやファッションのマンツーマンレッスンをしていただきました。

 

彼女はメイクセラピストという肩書を持ち、見た目も若々しくてキレイ、自然な気遣いができて誰とでも親しみを込めて接してくれる、私の憧れの方です。

 

レッスン自体はとてもためになり、時間を大幅オーバーしても、質問や雑談で盛り上がったりして、十分満足でした。

 

なのですが・・・!

レッスン料は1万2千円と、けっこう強気なお値段だなと感じました。

 

150分くらいのレッスンだったので、時給で換算すると4800円!

(150分は延長した場合なので、設定額はもっと高いことに・・・)

 

そしてさらに年収に換算すると、約1000万円だそうです。

 

といってもこれはフルタイムで働いた場合だと思うので、

自分の予定に合わせてレッスンを入れているらしい彼女は、そこまでは稼いではないでしょう。

 

多くの人が「生活するお金を稼ぐために働く」中で、

「自分の予定に合わせて、仕事をする」で生活できるのもすごいし、

 

まさしく、「自分の得意を売って、働いている」という彼女の生き方は憧れるなぁ。

 

 

「解決策をアドバイスする」というお仕事は、総じて地位≒収入が高い気がする

例えば、 カウンセラーとか、コンサルタントとか。

 

確かに、人の悩みを聞いて、分析し、解決策を提案するというのは、

専門分野に対する豊富な知識を持つだけでなく、

その知識を応用する力、悩みを聞き出す力、提案を言葉にする力、などなど、いろんな能力が必要です。

 

でもそういったことをするのは、専門的な職だけではありません。

親も子供に、上司も部下に、指導し、アドバイスする。

 

「人に提案する」「人に教える」「人に解決策を教えられる」ってことは、とても価値があることなんだな、と感じます。

 

わが家業と比較すると?

菓子一袋200円~400円で売ってるとして、

材料費、包装費、乾燥剤費などの費用がかさみますし、

一つ売れて数円の利益です。

 

基本的に製造業は大量生産して稼ぐものかもしれないですが、

うちのお菓子は機械導入して大量生産するほど売れるものでもないし、機械の導入費分稼ぐまでにきっと何年もかかります・・・。

 

また、うちではある商社とのコラボ商品を作っているのですが、

その商品は100円ほどで商社に卸し、店頭では500円で売っているそうです。

 

しかもその商品は休日に製造することが多く、父は土日もほとんど休んでいないです・・・。

 

つまり、長時間労働のわりに、全く儲かっていないのです。。

 

やっぱり、職業カーストを感じずにはいられない

近年、社会が豊かになり、モノが溢れかえっているからか、

物理的な「モノ」よりも、形が見えない「情報」や「スキル」に、価値が置かれています。 

 

 

もちろん、コンサルタントが有益な情報をクライアントに提供することも、元請業者が新しいアイディアを生み出すことの大変さも、よくわかりますが、

 

それでも、モノづくりの現場の地位の低さは、何とかならないのかな。

 

もっともわが家業も、100年作り続けている技術力を誇って単価を上げるのが一番だと思うんだけど、卸先が文句を言いそう。。

 

有益な情報やスキルに比べ、物理的なモノに関しては、「もう少し安くできないの?」って交渉をしてくる人が、多い気がします。

モノづくりが、なめられているというか。

 

そして両親も、高くしたら売れないことを気にしてる。

(うちは生活必需品とか自分のスキルを高めるものとかじゃないから、高くなったら買わない、という選択肢が簡単にできてしまう)

 

悲しいことに、モノづくりで商売するのは、とても非効率的なことなのだなぁと、考えてしまったのでした。

 

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